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水域ルポ

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機関誌「明日の下水道」に掲載中の水域ルポをピックアップしました。

令和5年度の国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」防災・減災部門に選定された「行政・市民・事業者みんなが自分事として取り組む浸水対策」はその名の通り、倉敷に生活する人全員が防災の意識を持つ取組である。記憶に残る災害の記録や、分かりやすい取組など多くの工夫と想いが基本計画に込められている。

水や汚泥などの下水道資源について、「食」の観点からポテンシャルを引き出すBISTRO下水道。鶴岡市が実施する処理水を利用して育てた藻をエサに鮎を育てるという手法は、今までにない取り組みとして、多くの人が注目している。

徳川家康の生誕地、岡崎城のそばを流れる乙川は多数のイベントが開催され、市の内外から人が集まる歴史ある人気スポットだ。下水道事業も戦前から着手し、水環境の整備と街の発展が密接につながっている。

下水道事業の持続に向けては市民の理解と協力が必要不可欠で、特に若い世代への広報が重要な課題だ。下水道施設パンフレットの新規デザインと雨水貯留浸透施設設置助成制度のPR事業において、高校生を巻き込み、一緒に考える静岡市の取り組みは、参加した高校生、自治体の両者にとってメリットのあるものとなった。

厚木市は相模川・中津川・小鮎川の3つの一級河川が合流する珍しい地域で、三川が合流する地点では、親水対策として水辺の利活用と観光やまちづくりが一体となった水辺の交流地点を目指している。それを支えるため、近年浸水対策として雨水貯留施設の整備にも力を入れている。今回は両者の対策について伺った。

大阪市で開催されているトライアスロン大会は、国内外で大きな関心を集めている。水泳の会場に大阪城東外堀を利用していることがその理由だ。その泳げるお堀の水には、中浜下水処理場が供給する高度処理水も利用されているとのこと。水質改善の取り組みと下水の再生利用の新たなあり方について、お話を伺った。

有明海沿岸に拡がる佐賀平野は干潟を干拓、多くのクリークが掘られ、日本を代表する肥沃な農地としても知られる。下水道の持つ多様なポテンシャルに着目した独創的なアイデアを積極的に具現化している佐賀市に、海苔の養殖のサポートを伺いに訪問した。

横浜市南部の戸塚区舞岡地区を流れる舞岡川。下水道の普及に伴い水質が改善し、地元中学科学部の活動が市民科学として大きな広がりを見せている。活動を主導してきた宮崎裕明教論にお話を伺いながら、舞岡川を歩いた。

多くの人が行き交うJR千葉駅。近年、千葉駅周辺ではゲリラ豪雨による浸水被害が度々発生し、対策が待たれていたが、駅前の再開発に合わせて雨水排水機能を強化する工事が始まった。この他『千葉市雨水対策重点地区整備基本方針』も昨年策定された。今回は千葉市の雨水対策について紹介する。

下りの新幹線に乗っていると名古屋駅に到着する直前、左手に超高層ビルをはじめとしたビル群が立ち並んでいる。名古屋で最も新しい街「ささしまライブ24」である。ここでは下水道でも興味深い取り組みが行われていると聞き訪ねた。

京の街中を流れる高瀬川。歴史や文学作品の舞台として有名な川であるが、舟運が終わるとともに埋めたての危機に瀕した話はあまり知られていない。なぜ埋め立てを免れたのか。それは、高瀬川に寄せる人々の強い想いがあったからである。その想いは、川に集う人たちの間で今も受け継がれている。

伊勢の川といえば五十鈴川のイメージがあり神話の世界とつながっているように感じる。一方、今回訪ねた勢田川は、人々の営みにつながり現在も汚水が流れ込む。しかし、「川はそこに暮らす人々の日々の営みを映す」ということに気いた市民は、水環境や下水道、浄化槽について理解を深め川の浄化に取り組んでいる。

東京都品川区の立会川を訪ねた。意識しなければ見落としてしまうような、良い水質とは言えない小川だが、地域の人々は川を大切にしている。一方、この川は時に水害をもたらし対策が急務である。川と共生するため人々の連携が展開されている。

大阪府と兵庫県の境を流れる猪名川。大阪府北部から兵庫県南部にかけて連なる北摂山地に端を発し、大阪北部のベットタウン、阪神工業地帯を流れるありふれた川だ。しかし、流域を訪ねると、河畔に続く人々の営みを凝縮する景色に出会った。そして、川の水質を守ってきた猪名川流域下水道に可能性を見つけた。

富山県そして富山市は、日本海側屈指の米どころ、工業都市として発展してきた。この背景には、立山はじめ北アルプスの山々に端を発し、富山湾に一気に注ぐ神通川に代表される川の存在がある。今回は川と深いかかわりにある富山市の中心部を流れる松川を訪ねた。

広野町は福島県の浜通り中部に位置する人口は約5,000人の町だ。町を流れる浅見川かつて、生活排水により汚濁が進んだが、下水道整備で清流を取り戻した。2011年3月、東日本大震災で町の下水道施設は壊滅的被害を受けたが、地元建設会社の奮闘により震災から1年半で復旧。広野の下水道は以前と変わらず、町の水環境を守っている。

「堀川」という名前は、京都市のほぼ中央を南北に通る幹線道路の名称として有名だが、名称の由来は通りと並行して流れている堀川という川である。この堀川は長らく合流式下水道の雨水放流先だったが、京都市の川をいかしたまちづくり方針と堀川を復活させたいという市民の声が重なり2009年、堀川に清流が復活した。

東京都心の東部、城東地区に広がる低地帯。この地域には荒川放水路や隅田川はじめ、大小たくさんの川が流れている。これらの川は都心の親水空間として位置づけられ、人々が気軽に水辺に近寄れるよう整備が進められている。今回はこのような城東地区を流れる川のひとつ、北十間川を訪ねた。

大阪といえば、ミナミの繁華街とそこを行きかう人々の頭上を煌々と照らすネオンサイン。そして、その様子を鏡のように映す道頓堀川の水面が思い浮かぶ。大阪の風景を象徴する川「道頓堀川」。今回の水域ルポでは、大阪市民の憩いの場となっている道頓堀川にスポットをあて、水質改善のための取り組みや、川を街の賑わいの中心とすべく進められている取り組みについてレポートする。

施設協では会員企業の担当者を対象に施設見学会を実施している。今回は2012年12月に実施された施設見学会に同行。見学先のひとつ、国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所が管理する首都圏外郭放水路を取り上げ、埼玉県東北部を水害から守っている同施設の概要、働きなどについてレポートする。

神戸市。六甲山から多くの河川が市街地を横断するように流れている。明治以降、市街化が進む中で表六甲を流れる川はジャマモノと考えられ、今回訪ねる生田川などは覆蓋されていた時期もあった。しかし、近年は環境意識の高まりから、都市の貴重な親水空間として見直されている。また、神戸の下水道は分流式として整備されているため表六甲を流れる河川は水質汚濁と無縁でもあった。

ビルが立ち並び、多くの人があわただしく行きかう東京・渋谷。この場所で自然を感じることは難しい。しかし、この地にもかつて清流が流れ水車が回る、人と自然が共生する風景が広がっていた。「渋谷川」がどう姿を変えてきたのか、その変遷を追うとともに、かつての「渋谷川」を取り戻そうと活動しているNPO法人「渋谷川ルネッサンス」のメンバーとともに、旧渋谷川である千駄ヶ谷下水道幹線に入った。

~水と上手につきあうまち、金沢~
石川県金沢市。金沢の町並みを特徴づけるものに市街中心部を流れるいくつもの用水と、浅野川、犀川という2つの河川がある。今回は用水のことや浅野川、犀川周辺に大きな被害をもたらした平成19、20年の大規模水害を受けて制定された「金沢市総合治水対策に関する条例」について、当協会の小林一朗専務理事と金沢市を訪れ、同市の堂園洋昭土木部長にお話を伺った。また、その後、水にまつわる対策の現場を見るべく金沢の街を歩いた。

~山梨市「かのがわ古道・かのがわ広場」整備事業~
第3回(平成22年度)国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」特別部門受賞
山梨市にある下神内川2区は「すぐそばに清流が流れる暮らし」を実現した。しかし、この暮らしは何か別の要因によりもたらされたものではなかった。地域を愛する人々が自主的に地域研究を行い、それに基づいて「せぎ」と呼ばれる地域の歴史的な用水路の復活を中心としたまちづくりプランを行政へ提案し、地域住民と市当局が協働して実現させたものだ。

東京都の住宅街を流れる川にしては珍しく、豊かな自然の残る川がある。国分寺市から世田谷区に向かって流れる「野川」である。だが、この野川の自然も昔から変わらず残っているのではない。押し寄せる市街化の中で川の水質は著しく悪化した。しかし、下水道の普及と地道な市民活動に
よって川に自然が戻り、今では水に親しめる場所として、人々の憩いの場となっている。

東京の代表的な水辺空間である、東京湾のお台場海浜公園に“オイルボール”が漂着したり、赤潮が年間100日程度発生したりするなど、東京湾の環境は必ずしも良好とはいえない。このような中、「うるおいのある水環境」の再生を求める機運が高まっている。東京都下水道局では、都庁内に設置された局横断的な組織「東京湾水質改善プロジェクトチーム」に参画するなど、都市で使われた水をいかに自然に帰していくか、数多くの取り組みを行っている。

1960年代の後半以降、千葉県の北西地域の開発が進み印旛沼の水質は悪化していた。1968(昭和43)年に印旛沼流域の市町村を対象に千葉県が主体となって印旛沼流域下水道が都市計画決定された。それから40年以上、印旛沼流域下水道は地域に欠くことのできないインフラとして機能するとともに、処理場施設の一部を開放し、市民に地域の憩いの場を提供したり、再生水(中水)を幕張新都心の一部に供給したりとその守備範囲を広げている。

多摩川は山梨県の笠取山に発し、山梨、東京、神奈川を流れ東京湾に注ぐ延長138kmの一級河川である。上流域にある羽村取水堰でほとんどの水が上水用に取水されるため、中流域からの水は大半が下水処理水となる。多摩川の中流域は、首都圏に暮らす人々が手軽に出かけることのできる広大な“水と緑”の空間であり、多摩川に対する地域住民の関心は非常に高い。地域にこよなく愛される多摩川の貴重な環境を守る上で、流域下水道は大きな役割を果たしている。

鶴見川はかつて一級河川の水質ワーストランキング上位の常連だったが、下水道整備が進むにつれて環境基準をほぼ達成するまでに回復した。平成15(2003)年の春には流域の住民による“鶴見川流域ネットワーキング”も法人(NPO)化され、鶴見川を「バク(の形の)流域」と呼び37団体が活動中とのこと。流域に暮らす人々にとって鶴見川は身近な川に変身しつつある。

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