国土の保全と国民の生命・財産を水害から守る河川排水ポンプは、その使命を十分に果たすため、常に高い信頼性と確実な運転が要求される。そのため、揚・排水機場においては、セラミックス軸受、管内クーラおよびガスタービンなどの採用によって、系統機器設備の大幅な簡素化とシステム全体の信頼性向上が図られてきた。
さらに、近年の時代背景から、高い信頼性に加えて「建設コスト縮減」が大きな課題となっており、揚・排水機場のコンパクト化と省スペース化が積極的に検討されている。
当社では、これらの課題をさらに追求すべく、ポンプの吐出し曲管と歯車ケースを一体化することにより横軸ポンプと同等の軸心高に原動機が設置できる新世代型の立軸ポンプ＜ラムダ２１＞を開発し、既に６９機場（合計１１８台）の実績を有している。

以下に、本ポンプの特長を述べる。
①建屋構造を改造することなく横軸から立軸ポンプへの更新が容易です。
②横軸ポンプと同一レベルに原動機を設置できます。
③減速機の潤滑油は揚水による自己冷却です。
④原動機の機種選定が豊富です。
⑤保守・点検作業の負担が軽減できます。

本ポンプの適用範囲は以下のとおりである。
◆吐出し口径：２０００ｍｍ以下
◆原動機出力：１４７０ｋＷ以下
◆対象機種：立軸斜流・立軸軸流ポンプ

◆口径１２００ｍｍの実証試験機を試作し、その健全性を確認済み（平成１０年９月）
◆国土交通省中部地方整備局並びに（社）河川ポンプ施設技術協会と３者で共同特許取得
◆平成２２年３月末日現在、６９機場（合計１１８台）の実績

開発した新世代型ポンプの据付概念図を図１に、口径１２００ｍｍ立軸ポンプを図２に示す。

（１）建屋構造は全て一床式で対応可能
　横軸ポンプと同一レベルに原動機が設置できる。このため、建屋構造のコンパクト化および省スペース化により、土木・建築工事費の縮減が図れる。

（２）減速機の潤滑油は揚水による自己冷却
　歯車減速機の潤滑油は、ポンプ自身の揚水を利用して自己冷却される。このため、冷却水系統が省略され、ポンプ設備の簡素化が図れる。

（３）老朽化した横軸ポンプ場の立軸化が容易
　入力軸とポンプの吐出し中心が、ほぼ同一水平線上にあり、原動機の軸心高は極めて低く設定できる。このため、建屋構造を改造することなく、横軸ポンプ場の立軸化が容易に行える。

（４）原動機の機種選定が豊富
　原動機には、従来から多く採用されているディーゼル機関のほか、汎用機種の横軸ガスタービンや横軸モータなどが豊富に選定できる。このため、地域の立地条件に合わせた経済的なポンプ場システムの構築が図れる。

（５）保守・点検作業の負担軽減
　主要機器が全て同一の床面に設置されるため、保守･点検作業の負担が軽減できる。

●上水道用…取水、配水、加圧
●下水道用…汚水送水、雨水排水
●農業用…かんがい揚水、湛水防除
●工業用…取水、配水、排水

現在、以下に示す納入実績を有している。
◆口径１０００ｍｍ立軸斜流ポンプ×３台（新設工事）
◆口径１１００ｍｍ立軸斜流ポンプ×３台（更新工事）
◆口径１２００ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（新設工事）
◆口径１２００ｍｍ立軸斜流ポンプ×２台（新設工事）
◆口径１２００ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（増設工事）
◆口径１２００ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（更新工事）
◆口径１２００ｍｍ立軸斜流ポンプ×２台（更新工事）
◆口径１２００ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（改造工事）
◆口径１３５０ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（更新工事）
◆口径１３５０ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（新設工事）
◆口径１３５０ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（更新工事）
◆口径１３５０ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（増設工事）
◆口径１５００ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（新設工事）
◆口径１５００ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（増設工事）
◆口径１６５０ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（増設工事）
◆口径１６５０ｍｍ立軸斜流ポンプ×１台（更新工事）
◆口径１８００ｍｍ立軸斜流ポンプ×２台（更新工事）

詳しい内容は弊社ホームページにて
http://www.dmw.co.jp/product/new/lamda.html

問合せ先
業務企画室　業務企画課
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