水処理施設を円滑に稼動させ、貴重な水資源を絶やすことなく創り出すために、数多くの機器が活躍しています。その中でも、もっとも現場に近いところで働いているのが、各種水質計器でｐＨ、濁度、導電率など、水に関する様々な情報を正確に検知し、監視情報や制御情報として上位機器に送り込む大切な役目を担っています。
特に水質計器は、汚れた水など悪環境の中で使われることも多いために、他の機器とは異なり、より高い耐久性とメンテナンスの容易さが要求されます。
揺動形水質センサーは、下水処理場の曝気槽で使用した場合など、本体が水の流れで揺動することにより、夾雑物（髪の毛など）や汚れの付着が少なく、保守が容易で保守周期が長い水質計器です。主なものとして、揺動形溶存酸素計（ＤＯ計）、揺動形ｐＨ計、揺動形ＭＬＳＳ計などがあります。

試料水の流れで揺れ動く揺動タイプで、汚れ付着の防止効果をさらに向上。長期間のメンテナンスフリーを実現します。
（１）電極ホルダ挿入管が流れで揺動し、自浄効果で検出器への汚れ付着の防止効果があります。
　　　　　　　　→　溶存酸素計（ＤＯ計）、ｐＨ計、ＭＬＳＳ計
（２）電極ホルダが短く軽量でケーブル吊り下げ構造なので、引き上げて容易に保守ができます。
　　　　　　　　→　溶存酸素計（ＤＯ計）、ｐＨ計、ＭＬＳＳ計
（３）検出器先端部が丸みをおびたシンプル構造あるいは検出器先端がフラットなシンプル構造なので、夾雑物（髪の毛など）が付着しません。
　　　　　　　　→　溶存酸素計（ＤＯ計）、ｐＨ計、ＭＬＳＳ計
（４）挿入管の揺動軸金具位置の調節で、検出深さが容易に変化できます。
　　　　　　　　→　溶存酸素計（ＤＯ計）、ｐＨ計、ＭＬＳＳ計
（５）光源は、近赤外ＬＥＤの使用により、長寿命でけい藻類の付着増殖が少なく、着色による影響もほとんどありません。また、光源のパルス点灯と外乱光カットフィルタの取付けで安定した測定ができます。
　　　　　　　　→　ＭＬＳＳ計

揺動形水質センサーの適応範囲としては下記のとおりです。

（１）揺動形溶存酸素計（ＤＯ計）
　　　試料水条件 温度範囲：０～＋４５℃、流速：０．１ｍ／ｓ以上、圧力：大気圧
（２）揺動形ｐＨ計
　　　試料水条件 温度範囲：０～＋６０℃、流速：２．０ｍ／ｓ以下、圧力：大気圧
（３）揺動形ＭＬＳＳ計
　　　試料水条件 温度範囲：０～＋４０℃、圧力：大気圧

揺動形溶存酸素計（ＤＯ計）
　この計器は、測定液中の溶存酸素濃度を測定するもので、酸素分圧に感応するガス透過性の隔膜を利用し、両極間に印加電圧を与えることによって機能するポーラログラフ方式を採用しています。溶存酸素形は、下水処理場の予備エアレーションタンクやエアレーションタンクの風量制御指標として用いられる他、河川や廃水の溶存酸素モニタとしても用いられます。

揺動形ｐＨ計
　この計器は、ガラス電極、比較電極および温度補償素子を一体とした複合電極を採用した浸漬形ｐＨ計です。ｐＨ計は、浄水場においては原水、混和水、ろ過水、浄水などの監視、薬注制御指標として、また、下水処理場においては流入下水、一次処理水、エアレーションタンク、放流水の監視用として、さらに汚泥処理設備においては、薬品混和槽のｐＨ制御用として用いられるなど、広汎な用途に用いられています。

揺動形ＭＬＳＳ計
　この計器は、近赤外散乱光測定方式により、光学的に試料水のＭＬＳＳ（混合液汚泥）濃度を連続測定します。適用場所は、下水処理場等の曝気槽です。

揺動形溶存酸素計（ＤＯ計）
①飽和溶存酸素量のデータを内蔵メモリーに記憶しているのでワンタッチで校正が行えます。また、安定判別機能の搭載により、個人差のない正確な校正が可能になりました。
②校正時に電極特性の良否を判断し、エラーメッセージで表示します。
③検出器の形状や揺動から、洗浄なしでも汚れの付着が少なく、保守も容易です。

揺動形ｐＨ計
①５種類のｐＨ標準液のデータを内蔵メモリーに記憶しているのでワンタッチで校正が行えます。また、安定判別機能の搭載により、個人差のない正確な標準液校正が可能になりました。
②標準液校正時の電極特性から良否を判断し、ｐＨ7の起電力特性劣化や、ｐＨ当りの起電力特性劣化などの情報を、エラーメッセージで表示します。また、電極の特性データを呼び出せるので、電極特性の劣化状況を知ることができます。
③検出器の形状や揺動から、洗浄なしでも汚れの付着が少なく、保守も容易です。

揺動形ＭＬＳＳ計
①マイコン内蔵により、折れ線近似によるＳＳ補正、３点校正による２次式演算、ゼロ・スパン補正等の各種機能を有しています。
②検出器は長さが短く、揺動形ですので、洗浄なしでも汚れの付着が少なく、保守が容易にできます。
③近赤外ＬＥＤ光源の使用により、長寿命でけい藻類の付着増殖が少なく、着色による影響もほとんどありません。また、光源のパルス点灯、信号演算処理で、外乱光の影響が少なく安定した測定ができます。

https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/social/water-environmental.html

問合せ先
社会システム事業部
TEL:044-576-6649 FAX:044-548-9566