生物脱臭装置/-
分類 |
水処理設備 > 脱臭 [この分類の技術一覧]
水処理設備 > 生物処理 / 浮遊生物法 [この分類の技術一覧]
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名称 |
生物脱臭装置 |
商品 |
- |
会社名 |
三菱化工機 株式会社[会社概要][技術情報一覧] |
お問い合わせ先 |
水環境営業部
TEL : 044-577-7740 FAX : 044-577-7760 |
概要
下水処理施設等から発生する臭気を微生物の代謝機能を利用して除去する装置です。三菱化工機の充填式生物脱臭装置は、内部に微生物保持量が多い繊維状担体を充填し、この担体上端を支持体で固定し、下端は自由端として隙間なく吊り下げるので、長期にわたり閉塞せず、高濃度臭気、負荷変動に対しても安定した処理が可能な装置です。
特徴
1.吊下げ構造で、付着微生物が適度に洗い落とされるため、長期運転に対しても低圧損を維持し、圧損の上昇や閉塞がなく、また流速を速く設定できるので、大量処理に適しています。(平成5年度に初号機を納入して以来、55基納入の全てで閉塞がありません。圧力損失も約0.5kPa程度で、長期にわたり上昇はありません。)
2.薬剤等を使用しないため、維持管理費は脱臭ファンの動力費のみでよく低ランニングコストです。
3.担体は、耐久性、耐食牲に優れ、軽量・強固のため、長時間の使用が可能です。
4.担体は、ループ状のため比表面積が大きく、従って微生物の保持量が多く、接触効率が良好のため、高濃度臭気・負荷変動に対しても安定した処理が可能です。(高濃度臭気では硫化水素濃度が常時1,500ppmの実績あり。負荷変動では時間変動で硫化水素濃度が100~1,500ppmで変動しても処理性能に問題なし。)
5.高性能脱臭装置であるため、後段の活性炭吸着工程を省略し、生物脱臭装置単独での処理も可能です。(生物脱臭単独処理実績19基)
適用
生物脱臭装置は汚泥処理系の高濃度小容量から、水処理系の低濃度大容量まで、下水処理場内の脱臭に対して効果的に運用できます。また、し尿処理、家畜糞尿処理、水産加工排水処理から発生する臭気にも運用できます。
実績
大阪市など70基の納入実績あり(うち生物脱臭装置単独処理は22基)。
生物脱臭の原理
水処理施設から発生する悪臭成分は主にアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルなどであり、いずれも特定悪臭物質です。本脱臭法は脱臭塔内の担体に付着した微生物(細菌)によって悪臭成分を分解させる方法であり、脱臭機構は次の通りです(図1参照)。
(1)悪臭成分を含有したガスが水と接触すると、悪臭成分は水に溶解します。
(2)水に溶解した悪臭成分は微生物と接触します。
(3)微生物は悪臭成分を分解しエネルギー源として利用します。
構造
上端を支持材で固定し下端は自由端とした繊維状担体を、隙間なく吊り下げて充填した構造になっています。
(1)原臭ガス
脱臭塔に進入した原臭ガスは充填層の担体と上向流で接触します。悪臭成分は担体表面の水に溶解し、担体表面に付着した微生物により分解されます。
(2)処理ガス
悪臭成分が除去された処理ガスはブロワで吸引され、必要に応じて活性炭吸着処理し大気に放散します。
(3)散水
本脱臭法は
●微生物の生育及び活性維持のため水分補給
●悪臭成分分解産物の除去・洗浄
のために散水が不可欠となります。
散水は二次処理水を使用し、脱臭塔上部から間欠的に実施します。清水も可能ですが、二次処理水はpH緩衝能を有し、ランニングコストを低減できます。
(4)ドレン
散水により充填層を流下した水はドレンとして系外に排出し、水処理系に返送します。
以上のように本脱臭装置は構造がシンプルであり、竪型にも横型にもすることが出来ます。又、動力は吸引ブロワと散水ポンプのみであるため、ランニングコストが軽減されます。
特徴
(1)低い圧力損失悪臭ガスは担体に沿って鉛直方向に通過し、水や異物は容易に流下するため、圧力損失が極めて小さくまた上昇しません。(圧力損失は生物脱臭装置単独で約0.5kPaであり、長期にわたり上昇は認められません。)
(2)優れた処理効果担体は繊維状担体を吊り下げているため、粒状ないしは塊状の担体のように圧密することがなく、担体密度が常に均一に保持でき、ガスが偏流しないので処理効果に優れています。
高濃度臭気(硫化水素濃度が常時1,500ppm)や
負荷変動が多い臭気(時間変動で硫化水素濃度が100~1,500ppmで変動)での実績もあります。また、高性能であるため、
生物脱臭装置単独での処理も可能です。
(3)メンテナンスフリー薬品の使用がなく、また担体は耐食性・耐久性に優れているため交換が不要、メンテナンスは殆どありません。平成5年度に初号機を納入して以来、担体の目詰まり・破損によるトラブルはありません。
(4)優れた経済性担体が軽量であるため装置全体の軽量化が可能となります。また動力はブロワとポンプのみであり薬品コストもなく、ランニングコストは低廉です。
三菱化工機ホームページへhttp://www.kakoki.co.jp
性能
高濃度臭気 実施参考例
物質名 入口濃度(ppm) 出口濃度(ppm)
アンモニア 0.1 0.1
硫化水素 1,500 1.5
メチルメルカプタン 15 0.45
硫化メチル 0.18 0.03
二硫化メチル 0.093 0.01
生物脱臭装置
図1.生物脱臭システムフロー(活性炭吸着を省略した生物脱臭の設計が可能です。)
図2.ひも状担体(繊維状担体)
生物脱臭装置/-に関するお問い合わせ
問合せ先
水環境営業部
TEL : 044-577-7740 FAX : 044-577-7760